介護職員には、安心で安全な介護サービスの提供と、その人らしい生活ができるような支援、生きがいを持って明るく楽しく生活できるようにするための支援という3つの役割が主にある。

この役割を果たすには、利用者を不快にさせない基本的な接遇マナーを身につける必要がある。ここで、1つポイントになるのが、言葉遣いだ。美しい言葉は、自分の好感度をあげるのにも大切な要素である。言葉遣いは心遣いともいわれ、周囲から見た自分のイメージを左右するものだ。

また、言葉は使い方により、相手をいたわったり幸せにしたりすることができる反面、相手を傷つけたり、苦しめたりすることもある。一言の重みを考えて、相手に対する気配りを忘れないようにすることが大事だ。

そして、親しみとなれなれしさは違うということを理解しておくことが大切である。親しみとは、なじみがある、心に隔たりがないという意味だ。親しみがあるというのは、相手に対する思いやりや尊敬の気持ちを持っていて、礼儀正しい振る舞いができる態度のことである。

一方、なれなれしさとは、それほど親しい間柄でない人に使うことが多く、そうした間柄にもかかわらず打ち解けすぎで、遠慮がなく、ぶしつけな態度や振る舞いをすることを指す。つまり、なれなれしいというのは、相手の気持ちを無視した礼儀を欠く態度のことである。自分は、親しみを込めて接しているつもりでも、相手はなれなれしいと感じていることもあるので注意が必要だ。