接遇とは、人に接してもてなすことを指し、接客業やサービス業においての接客スキルとされている。
接客がマナーやコミュニケーションなど、お客に関わるサービス全般を指すのに対して、接遇はそれより密接した関係の構築、お客の快適な空間の提供を求められるという点に違いがある。
介護職において接遇は、利用者の信頼や安心感を与える大事なツールとなっており、基本的なポイントを押さえておく必要があるのだ。まず、挨拶である。相手の目を見ることで、誰に言葉を発しているのかきちんと伝えることが必要になる。そして、相手に聞き取りやすい声を出すように心掛けよう。特に、利用者が高齢者であることが多い介護では、言葉が聞き取れないことでコミュニケーショントラブルも生じる可能性があるからだ。
次に、言葉遣いだ。ゆっくりとはっきり伝えることで、相手に伝わるように話しかけよう。また、馴れ馴れしい言葉遣いや流行り言葉、専門用語などは使用せず、分かりやすい言葉で話すよう心掛けるのだ。
そして、話すことと同じように、聞く能力も必要になる。相手の目を見て、なるべく目線を同じにすることや、相手の意見を聞いていることを示すために頷いたり、相槌を打ったりするなどして、きちんと話を聞いているということを相手にアピールしよう。
さらに、身だしなみも接遇には大事なポイントだ。清潔感と共に介護の仕事の機能性にも配慮した身だしなみを常に心掛けるといいだろう。例えば、爪や髪、服の汚れなどに配慮し、華美にならないように気をつけるようにするといいのではないだろうか。その他にも、大事なことは笑顔を絶やさないことである。